日本企業のベトナム進出に立ちはだかる意外な壁
2009/06/01(月) 17:28

日本企業のベトナム進出に立ちはだかる意外な壁

統計上の数値と実際の経済が一致していないことも日本企業のベトナム進出の意思決定の遅さに影響しているのでは(写真:ホーチミンに進出するダイソー)

  世界金融危機の中でも、意外とベトナムの内需は底堅く、「恐るべしベトナム」という感じです。ベトナムに精通した在ベトナム日系銀行の担当者の方が、「ベトナムは長年の争乱の歴史の中で非常に怖がりの国になっており、極端な現実主義なので、中国のような2桁成長はなかなかしません。でも安定してコツコツ努力した企業は結構報われる国なんです」と言われていたが、本当にその通りだと思います。

  ベトナムのWTO加盟と国内市場の開放を前提に、ここ数年日本の流通系大手、中堅企業はほとんどがベトナムに市場調査にきています。大手コンビニエンスストアーの有名社長も毎年自ら調査に来られているようです。でもなかなか進出を決める企業はありませんでした。この間やっと、ファミリーマートが2009年9月をターゲットに現地の総合卸会社「フータイ」と合弁会社を設立し、ホーチミンで09年内に1号店をオープンする計画を発表しました。ファミリーマートの海外進出は、韓国、台湾、タイ、中国、米国に次いで6か国目になり、5年で200~300程度の出展を見込んでいるようです。

  ベトナムの人々は日本、日本人に好意的で、一緒にビジネスをしたがります。でも、韓国や台湾、欧米に比べて極端に意思決定が遅いことに呆れてもいます。日本人と一緒に仕事をしたいという想いを持っていても、超現実主義的なベトナム人は一定期間以上待ってくれませんし、当然ながら他の候補企業とも話を進めます。

  日本企業の意思決定の遅さには色々な理由があると思いますが、正式な統計上の各種の数値と実際の数値の違いが大きいことも理由の一つではないでしょうか。現地に実際に来た担当者はこの国での成功を確信できても、統計数値を使って事業計画を作成するととても本社の決済を仰げないものになってしまうのです。

  一人当たりGDPが1000ドルを越えるとファーストフードチェーンの展開が可能になると言われています。統計上はホーチミン市でも1000ドルを切っている状況ですが、ケンタッキー・ピザハット・ロッテリアなどは成り立っています。ホーチミン市の実際の一人当たりGDPは2000ドルぐらいになっているのではないかというのが、現地金融関係者の見立てでした。7000円~8000円もするワコール社の女性用下着なども売れていますし、皆普通に高級携帯電話を持ち、バイクに乗っています。トップダウン型の経営者の号令なしに、普通の日本の大企業がベトナム進出の意思決定をする日は何時になるのでしょうか?意思決定に手間取っている間に、他の国はどんどん又ベトナムに入り込んできています。(執筆者:福森哲也・ティンベトコンサルティング取締役会会長)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0601&f=business_0601_075.shtml

『サーチナニュース』より