怖いんじゃなくて、腹が立つからベトナムでは運転したくない。

バイク天国のホーチミン 道路横断は“チキンレース”
2013.6.19 13:27

バイク天国のホーチミン 道路横断は“チキンレース”

バイク天国のホーチミン市内。手前左の男性は前後に子供を乗せていた

 「ゆっくり見えるように渡ってください。怖くなり急いで渡ってぶつかった日本人がいました」。バイク天国・ホーチミンで現地ガイドが道路の横断方法を指南した。交通量が多くても信号はほとんどない。4車線はある主要道路に恐る恐る足を踏み入れ、向かってくるバイクを見ながらゆっくり進む。

 こちらに気付かず減速しなかったら…。しかし怖くなって走り出したら負け。「自分が避けるのではなく、相手に避けさせるのです」。まるでチキンレースだ。渡り終えるまでの十数秒、気温38度と蒸し暑い上に緊張したせいで全身がじっとりするくらい汗をかいてしまった。

 ベトナムではバイクを「ホンダ」と呼ぶそうだ。コーヒーは「ネスカフェ」、紅茶は「リプトン」と商品名がそのまま定着することが多いという。「人気のバイクはホンダとヤマハ。ヘンダとヤマザという偽物もあるけど故障が多くてダメ」

 ラウンドアバウト式の円形交差点にものすごい数のバイクが行き交う。スリル満点、よくぶつからないものだと感心していると「事故は多い」とガイド氏。後部シートに客を乗せるバイクタクシーが盛んに道端で客引きしていたが、「絶対に乗らないように」と釘を刺されてしまった。

 ベトナムの交通ルールでは大人2+子供1まで許される。大人2人に挟まれた状態で子供が座るケースがほとんどだが、前のステップ部分や後部座席に子供を立たせることも。速度が出ているから曲芸を見ているようだ。大人3、大人2+子供2の違反車や過積載も目立った。

 バイクの所持率を尋ねると「3人に1台くらい」とあいまいな答えが返ってきた。一家に1台はあるといったところか。一方、関税が200~300%と高いため乗用車の所持率は人口の3%未満という。道路の主役はバイクになり、街中ではバイクの間を縫うように乗用車が走る。

 ベトナムでは絹織物が盛んで工場で働く女子工員もバイク通勤がほとんどだった。製糸場といえば日本では「女工哀史」のイメージが強いが、中部の古い港町・ホイアンで見学した工場兼直売所は明るい職場に感じた。

 女子工員には1軍、2軍があるらしく屋内にある見学コースの縫製場は冷房が入っているが、駐輪場と鉄柵で仕切られた半屋外の縫製場をのぞくと扇風機のみ。それでも話し声が絶えず工場特有のピリピリとした雰囲気は皆無で、どこかのんびりとしている。

 絹糸を縫い込んで絵画と見紛うような織物を作製する根詰めた作業を終えると、女子工員たちはバイクにまたがってさっそうと帰っていく。排気ガスから喉を守るために月光仮面のようなマスク姿も。残業の習慣はないそうだ。

 同行者が直売所でスーツやシャツなどを物色している間、暇だったので無数にある駐輪場のバイクの中からヘンダとヤマザを注意深く探してみたが見つからなかった。偽物は淘汰されたのか、それともより精巧になったのか。(産経デジタル)

 取材協力/ベトナム航空

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130619/trd13061913320008-n1.htm

『MSN産経ニュース』より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Post Navigation